50代になってから「新しいことに挑戦したい」と思い、私が選んだのはゴルフでした。運動が得意ではない私でも、練習を重ねるうちに「自分のペースで続けられるスポーツ」だと気づき、最初のラウンドで得た気づきと学びをここに記します。
ゴルフを始めたきっかけ
50代から挑戦しようと思った理由
仕事や家事に追われる毎日。40代の半ばから、気づけば心に大きなブラックホールができてしまい、その穴をどう埋めても満たされない日々が続きました。プライベートの時間は一人で過ごすことが多く、未来を悲観してしまうこともあり、長く辛い時期がありました。
そんな中、友人からゴルフに誘われました。正直、最初は始めるつもりなんてありませんでした。それでも軽い気持ちで仕事帰りにスクールの体験へ。コーチと話し、身体を動かしてみると、不思議と心が軽くなる感覚がありました。
最初の一歩を踏み出すまでの気持ち
スクールでコーチと話し、身体を動かしてみると、不思議と心が軽くなる感覚がありました。一人で悩み続ける時間が減り、代わりに目の前のボールと自分に集中できる時間が増えていったのです。まるで「今の私に必要なもの」がピタッとはまった瞬間でした。
特に私に合っていたのは、練習を通して集中し、自分と向き合えることでした。孤独にこもるのではなく、スクールでコーチや周囲の人と軽く言葉を交わすこともできる。無理のない距離感が心地よく、「これなら続けられる」と思えたのです。
こうして、気がつけばゴルフは私の人生に自然に溶け込み、「もう一度未来を楽しみたい」という気持ちを取り戻すきっかけになっていきました。
初めてのラウンド体験

ラウンド前に感じた不安と期待
スクールでの練習に少し慣れてきた頃、ついに友人と一緒にコースデビューする日がやってきました。ワクワクする気持ちがある一方で、「本当に回りきれるのだろうか」「迷惑をかけないだろうか」と不安でいっぱいでした。クラブを持つ手が汗ばみ、前日はなかなか眠れなかったのを覚えています。
実際のコースで驚いたこと
いざコースに立つと、練習場とはまったく違う世界が広がっていました。
目の前に広がる鮮やかな緑、風の音、鳥のさえずり。自然に包まれる心地よさに胸が高鳴りましたが、同時に傾斜やラフ、距離感に大きなギャップを感じました。練習場では真っ直ぐ飛んでいたボールが、コースでは思うように飛ばず、何度も同じ場所から打ち直すこともありました。
初心者ならではの失敗談
ティーショットでは空振りしたり、ボールが右に大きく曲がって林に入ってしまったり。パターでは力加減がつかめず、何度も行き過ぎては戻ってきたり。そんな失敗の連続で「やっぱり無理かもしれない」と心が折れそうになりました。
けれど、そんな中で一度だけ、ドライバーが真っ直ぐに飛んでフェアウェイに落ちた瞬間がありました。その時の爽快感と、友人たちが「ナイスショット!」と声をかけてくれた温かさは、今でも鮮明に覚えています。小さな成功体験が、失敗ばかりのラウンドを「楽しい思い出」に変えてくれたのです。
気づいたこと・学んだこと
ゴルフは体力よりも「考え方」が大切
最初のラウンドで痛感したのは、ゴルフは単に力いっぱい振るだけのスポーツではないということです。
「どこにボールを落としたいか」「次の一打をどうつなげるか」といった戦略や考え方が、体力以上に大きなカギを握っていました。むしろ無理に飛ばそうとするとミスが増え、かえってスコアを崩してしまう。ゴルフは頭と心でコントロールするスポーツだと実感しました。
年齢に関係なく楽しめるスポーツ
50代で始めた私でも、若い人に混ざって同じコースを歩き、同じようにボールを追いかけることができました。うまくいかなくても自然の中を歩くだけで心が癒され、仲間と笑い合うだけで時間が特別なものに変わります。年齢を気にせず楽しめるスポーツに出会えたことは、大きな発見でした。
一打の喜びが心を満たす
たとえ失敗の連続でも、一度でも「理想のショット」が出ると、それだけで心が満たされるのがゴルフの不思議な魅力です。真っ直ぐに飛んだ一打、グリーンに乗った一打。それは、どれだけ練習しても味わえない「ご褒美」のような瞬間でした。努力の先にある達成感は、年齢や経験に関係なく誰もが味わえるものだと感じました。

これからに向けて
続けるために意識したいこと
初めてのラウンドで思うようにいかないことはたくさんありましたが、だからこそ「次はもっと上手くなりたい」という気持ちが強くなりました。ゴルフは一度や二度で結果が出るものではなく、コツコツと積み重ねることで少しずつ成長を実感できるスポーツです。無理をせず、自分のペースで続けていくことが一番大切だと感じています。
モチベーションを保つ工夫
練習の合間に小さな目標を立てるようにしています。例えば「次のラウンドでは空振りを減らす」「100ヤードを安定して打つ」といった具体的な目標です。大きな成果ではなく、小さな達成感を積み重ねることで、モチベーションが長続きすることに気づきました。
気持ちを軽くするために大切なこと
コースでは、練習場のように打てないことが当たり前です。状況やメンタルがまったく違うため、完璧なショットを求めるとすぐに苦しくなってしまいます。だから私は「とにかく前に飛んでくれればゴルフは成立する」と自分に言い聞かせています。たとえゴロでも、少しでも前に進めば十分。そう思えるだけで「人に迷惑をかけてしまう」というプレッシャーに押しつぶされず、気持ちがとても楽になります。まずは前進できれば上々。それが、楽しみながら続けるための大切な考え方だと思います。
同世代の女性に伝えたいメッセージ
50代からでも新しい挑戦は遅くありません。むしろ人生経験を重ねた今だからこそ、ゴルフが心に深く響くのだと思います。自然の中で過ごす時間、仲間と笑い合う時間、そして一打の喜びは、日々の不安や孤独を忘れさせてくれる特別なものです。
私自身、ゴルフを通じて「未来を悲観する気持ち」から解放され、心が前向きになりました。だからこそ、同じように何かに挑戦したいと思っている方に、「一歩踏み出すだけで、きっと新しい景色が見える」ということを伝えたいのです。

まとめ
初ラウンドは失敗の連続でも、たった一打の喜びが心を満たし、前に進む勇気をくれました。完璧を目指すよりも「前へ進めば上出来」。年齢に関係なく、自分のペースで楽しみながら成長できる——それが、ゴルフが私にくれた最大の学びです。